電通大 夜間主を卒業しました

私は2015年4月〜2019年3月まで電気通信大学 情報理工学部 先端工学基礎課程 (夜間主) に在籍していました. (今は改組されてちょっと名前が変わっています.) もう4年以上前になるので,当時の記憶がだいぶ薄れているのですが,覚えている範囲で書こうと思います.

言いたいこと:

  • 夜間主で勉強するのはコスパ最高だしおすすめ.(仕事の状況によっては大変だけど)

目次:

大学に行こうと思った動機

私は18歳で高校を卒業してそのまま就職しましたが,勉強が十分にできなかったという心残りがありました. 勉強だけは人並みにできて,これが自分の価値を出す唯一の手段,みたいな意識があったので,

じゃあなんで就職したんだという話ですが,大卒で普通に就職できるという自信が全く無く,また高校卒で就職がうまく決まるということで就職しました. もっと色々ありますが,それは機会があるときに.

当時は,「仕事はつまらないもの」「仕事にやりがいを求めてはいけない」と思っていたので,じゃあせめて趣味みたいな感じで(もちろん学歴を付けたいというのもありますが)仕事に影響の無い夜間大学で勉強しようと思ったのが主な動機です.

で,入社1年目にさっそく受験をして,幸いにも合格をしました.

受験

正直,何をやったのかあまり記憶がありません(汗)

勉強はずっと進研ゼミをやってきたので,それでやったのかな?特段なにかやった記憶が無いです. ちなみに進研ゼミは難関大コースみたいのをやってました.といっても添削もロクに出さず,問題も解きっぱなしで復習もしてなかった気がするので,今から思うとかなり適当な勉強方法でした.

あとは生協に行って過去問を買って対策しました.

あとは確か,志望理由書で小論文みたいのを書いた気がします.その時期にニュースで聞きかじったクラウドだの仮想化などと書いた気がします.今から思うとツッコミどころ満載ですが.親に見せて(親は全く専門外)「いいんじゃない?」みたいな感じだったのでそのまま出しました.

本番,試験を解いた感触もよく覚えていません.多分,無難な感じで解けたのだと思います.そんなに難しい問題は出なかった印象です.

筆記試験に加えて面接があります.確かグループ面接でした.これもあまり記憶がないですが,多分私のことだから緊張してたでしょう.定番の志望理由とか聞いて,特に面倒なことは無かった気がします.

しばらくして,無事に合格の発表がありました.

入学前後

入学前にスクーリングがありました.遅れて行ったら狭い部屋に人がたくさんいたな〜って記憶があります.

大学はほとんど趣味という意識でいたので,卒業に不要なことは極力やらないというスタンスでいました. また,自分の体力(というかストレス耐性)にまったく自信がなかったので,できるだけタスクを減らしたいという気持ちがありました.

ということで,入学式は欠席,その後に合宿というものがあったらしいですが,それも欠席しました.

コースについて

ちなみに,当時は夜間主コースは,就労が必須の社会人コースと(多分)就労不要なインターンシップコースの2つがありました. (翌年度から社会人コースのみになりました.) 私は就労しているからと,当然のように社会人コースで入学しました.

社会人コースは人数が少なく,結構年齢層が高い人もいたりして,社会人っていう感じでしたが,インターンシップコースは普通に高校を卒業した年齢で入学したような印象です.

ぼっち回避

入学前は絶対ぼっちになりそう,と思っていましたが,幸いにも入学後しばらくしたときに声をかけてくださった方がいて,LINEグループに登録したりして,ぼっちは回避しました.

今から思うと,このつながりがなかったら単位が取れず,鬱になっていたかも,と思います. やはり大学の授業は試験の過去問情報とかが命綱なので. 今はけっこう先生が変わっているので違うかもしれないですが,試験によっては過去問そのまんまじゃん!ってのもありました.

二足のわらじ

仕事終わった後,授業に行くのはそれなりにしんどかった気がしますが, まあ,授業は進度は別に早くないので,だらだら聞いていればいいみたいな感じで,授業中に少し休める感じです.(単純な座学の場合.グループワークがあったりすると少ししんどい)

当初は仕事の後,電車で大学に行くつもりでいましたが,大学は家から割と近く,一度家に帰ってから自転車で行ってもなんとか間に合うということがわかり,日によっては自転車で行くことにしました. 自転車(ロードバイク)が趣味で,ストレス解消の手段にもなっていたので.

サークルは,少し興味があったのですが,時間的に無理そうなので結局やめました.

社会人コースには,通常より履修期間を長くできる(長くしても学費が余計にかからない)という長期履修制度があるので,入学当時は無理せず6年くらいかけようと思っていました. 結果的には会社や周囲の協力もあり,ストレートで卒業できました. ただ,私は残業が無かったのも大きいです.ちょくちょく残業とか時間外労働がある人はかなりつらそうでした.

講義

土曜日は授業があります. 入学当初は,そこまで課題は重くなかったので,日曜日はわりと好きなことをする時間がありました. (もちろん試験前やたくさん課題があるときは除く)

授業のレベル感は,まあ人によって感じ方は違うとは思いますが,私には特に難しいとは思いませんでした. むしろ大学院を受験した今から思うと,もっと難しいところまでやって欲しかったくらいです.

例えば微分積分学の授業がありましたが,某マセマで出てきたσ-ε論法とかやらないなーとか思いながら聞いてた記憶があります. ほんとに微積の計算演習だけやりました. 線形代数もあんまり理論的な話はしなかったので,院試の前にはかなり基礎から勉強しなおしました. (ほかの大学ではどうなのかわかりませんが...)

ただ,講義でもっと詳しくやっていたら社会人には全部を理解する時間が足りなくなってしまうので,致し方ない気もします. 多分,もっと勉強したい人は昼間の講義を取るんでしょう.私も取りたかったですが,卒業に必須でもないのに毎週休みを取るのは気が引けて取りませんでした.

ちなみに,コース分けは一応ありましたが,必修の講義1つと実験の内容が違うだけで,ほとんど同じでした. (翌年度の改組でコース分けは廃止されました.) なので,私はソフトウェアとかやりたいのに電磁波の授業とか必修で,なんだかな〜と思いながら受けてました.

広い範囲に知識の引き出しを作っておく意味ではいいのかな.それより運営上,人数の関係上分けるにわけられないというのが大きそうです. 昼間の授業も取りたかった...

まとめると,理論的な深い所まではやりませんが,限られた単位数と学習時間の中で重要なところや実用的に役に立つところを重点的に学ぶカリキュラムだったと感じます.

以下,印象に残った講義を書きます.

健康実践論

ほんとは一年目に健康実践論という体育の授業があったんですが,いきなり体育で会社休むのは... という気持ちがあり,翌年度に取ることにしました. ちなみに,高校時代は長距離を軽くやってた(+ロードバイク趣味)ので,20mシャトルランで1位(といっても20人くらいの中でだけど)になったのが地味に嬉しかったです.

基礎科学実験

確か1年の後期にあります.おそらくK課程最大の難関です.

毎週実験を行い,毎週レポートを作成して提出をします.これで1年の後期は日曜日は完全に潰れました. 全体説明の先生が,「各実験の先生が怒っているように見えるかもしれませんが,イライラしているだけなので大丈夫です」的なことを言っていたのが印象的です.

何回か怒られ(指摘され)ましたが,無事に単位を取れました.

放送大学との単位互換

夜間コースでは,放送大学との単位互換ができます. (教養系のみなど,互換できる単位は限定されていますが)

放送大学はテキストを読んで,途中に1回中間課題を提出,最後に期末試験を受ければ良いというものなので, 普通に講義を受けるより楽です. (もちろん映像授業もあるが,結局1度も見なかった)

ただし,費用(当時1科目あたり11,000円)がかかります.

具体的に取る科目は,期末試験の教科書の持ち込み可能など取りやすそうなものを放送大学の口コミや過去の情報を参考にしながら選びました.

また,期末試験が日曜日に行われているなど,仕事や電通大の講義や試験に時間がかぶらないものを選びました. (仕事はまだしも電通大と試験日時がかぶるとどうしようもなくなる.) その条件を課すと自ずと絞られるので,必ずしも取りたい科目を取ったかというとそういうわけでも無かったりします.

余談ですが,そのうちの一つ,薬に関する科目が,今年度から試験の持ち込み禁止になるということが判明し, しかもけっこう範囲が広いということで苦労したので,そういうリスクもあります...

感想

仕事の制約もあり,(勉強とか講義の履修を含めて)思うように学生生活を満喫できなかった,という心残りがありましたが, それでも,今自分は忙しく生活し,自分が成長しているという充実感や達成感が得られました. 無事に大卒資格も得られましたし. (当時はほかの選択肢をよく考慮しなかったが,今から思うと大卒資格だけなら通信制大学という手もある.)

大学に入ったメリットは次のようなものだと思います.

  • 大卒資格
  • 勉強になった
  • いろんな人に出会い,高校とか会社とかとは違う多様な価値観に触れられた
  • いろいろと視野が広がった.
  • 卒研ができた
    • 研究とはどんなものか体験できた.
    • 研究発表の国内カンファレンスに行き,つよい人がたくさんいて,すげーってなった.まがいなりも自分もこういうつよい人たちと同じ土俵に立っていることに自信が付いた.(一応論文がアクセプトされたので)

少し紆余曲折はありましたが,この大学に入ってよかったと思っています. 国立大で昼間の半額なので学費は安くてコスパ最高です.

ほかの科目についてもいつか書きたいです.

あとは,研究室生活についてもは下記の記事で書きました.

kamocyc.hatenablog.com